特集 【各論】服薬アドヒアランスを高める看護
服薬アドヒアランス向上の取り組み~薬剤師の視点~
計良 貴之
1
Takayuki KEIRA
1
1聖マリアンナ医科大学病院薬剤部/医療薬学会認定薬剤師/医療薬学会がん専門薬剤師/日病薬病院薬学認定薬剤師
pp.569-574
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_569
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はじめに
アドヒアランスとは,「患者が積極的に治療方針の決定に参加し,その決定に従って治療を受けることを意味する.」と定義されている1).従来の服薬状況の評価は,「医療者の指示を患者が遵守できるか」というコンプライアンスの概念のもとに行い,ノンコンプライアンスは,患者側に問題があるものとしていた.しかし,医療者から患者側への一方向の働きかけでは,ノンコンプライアンスの改善が困難であったため,患者自身を治療に対して積極的に参加させ,医療者と患者の双方が,納得して支持する治療を進めていくアドヒアランスの概念が生まれた.服薬アドヒアランスを向上させるためには,治療が患者にとって有効であるだけでなく,患者本人が実行可能かどうか,薬の服薬を妨げる因子があれば,その因子を解決するための方法などを医療者と患者がともに考え,相談して決定する必要がある.
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