第Ⅲ章 各論:がん治療とエビデンス がん治療の最新エビデンス
放射線治療
大熊 加惠
1
,
中山 優子
1
1国立がん研究センター中央病院 放射線治療科
pp.151-155
発行日 2019年2月25日
Published Date 2019/2/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_151
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
放射線治療にはさまざまな種類があり,大きく,①外部照射と,②内部照射に分けられる.
外部照射
体外から照射する方法であり,もっともよく用いられるX線のほかに,電子線,ガンマ線,粒子線などがある.一般的な治療装置である直線加速器(リニアック)では,X線や電子線照射が可能であり,脳腫瘍で用いるガンマナイフなどでガンマ線は利用される.粒子線には陽子線と重粒子線(炭素線)があるが,X線による効果が期待しづらい局所進行がんや骨軟部腫瘍などで用いられる.
内部照射
体内から照射する方法で,腔内照射,組織内照射,内用療法がある.子宮頸部や食道のように内腔のある臓器に器具を入れる場合が腔内照射であり,組織に直接細い器具や線源を刺入する場合が組織内照射である.内用療法としては,甲状腺がんに対するヨード(I-131)カプセル内服などがある.
© Nankodo Co., Ltd., 2019