特集 骨転移患者への看護のモヤモヤ,すっきりさせましょう!
知って,すっきり! 骨転移の病態と治療の実際
放射線治療って,実際どうなの? 骨転移に対する放射線治療
中村 直樹
1
Naoki NAKAMURA
1
1聖マリアンナ医科大学 放射線治療学講座
pp.497-500
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_497
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はじめに
骨転移に対する放射線治療は放射線治療全体の13%を占める1).骨転移をきたしている時点で全身疾患であり,多くの場合は骨転移に対して局所治療である放射線治療を行うことで生存期間の延長は望めない.骨転移に対する放射線治療の目的は,症状の緩和,QOLの維持・向上である.このような目的で行う放射線治療を緩和照射とよぶ.緩和照射は生存期間の延長を目的とする根治照射と大きく性質が異なる(表1).
骨転移に対する緩和照射に期待される主たる効果は,痛みの緩和,脊髄圧迫(両下肢麻痺)の予防・緩和,(エビデンスは乏しいが)骨折の予防となる2).
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