Japanese
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投稿 研究報告
国内における抗がん薬による皮膚障害に関する研究の動向
Research trend of studies related to dermopathy induced by the anticancer agent in Japan
中井 真由美
1
,
安藤 詳子
2
,
光行 多佳子
3
,
杉村 鮎美
4
,
杉田 豊子
5
,
小島 勇貴
6
,
北川 智余恵
7
Mayumi NAKAI
1
,
Shoko ANDO
2
,
Takako MITSUYUKI
3
,
Ayumi SUGIMURA
4
,
Toyoko SUGITA
5
,
Yuki KOJIMA
6
,
Chiyoe KITAGAWA
7
1国立病院機構名古屋医療センター看護部
2名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻
3名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻博士課程後期課程
4名古屋大学大学院医学系研究科(保健学)客員研究者
5名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻
6愛知県がんセンター中央病院血液内科
7国立病院機構名古屋医療センター臨床腫瘍科
キーワード:
抗がん薬
,
皮膚障害
,
文献研究
Keyword:
抗がん薬
,
皮膚障害
,
文献研究
pp.631-636
発行日 2018年9月20日
Published Date 2018/9/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango23_631
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【目的】わが国における抗がん薬による皮膚障害に関する研究の動向から,今後の看護学領域における研究課題を明らかにする.
【方法】医学中央雑誌Web版Ver.5にて,2000~2016年の原著論文より「抗がん薬」と「皮膚症状or爪症状」のキーワードで文献検索した.抗がん薬による皮膚障害を主テーマとする論文を対象に研究の動向と内容を分析した.
【結果】論文は85編で多職種の研究であった.2004年の皮膚障害実態調査に始まり,2010年以降論文数が増加した.研究内容は「皮膚障害に関する調査」「医療者による皮膚障害支援体制の調査」「皮膚障害に対する医療者の介入の効果」「皮膚障害による患者の体験」があった.保湿剤使用や患者が保湿ケア継続できるための支援により,症状の重症化を抑制できることが示された.皮膚への物理的刺激回避の有効性に関する報告はなかった.また,患者の立場から皮膚障害による生活やQOLへの影響を調査した報告はわずかであった.
【考察】抗がん薬による皮膚障害の予防対策は未解決な点も多く,さらなる実証研究が求められる.皮膚障害やセルフケアの体験を患者の立場から明らかにする研究は,患者主体のセルフケア支援を考える上で重要な研究テーマである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018