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特集 消化器外科手術 術中・術後トラブルシューティング 私ならこうする!
IX. 膵臓
4.変異右肝動脈を有する患者での膵頭十二指腸切除―安全な攻め方と術中対策
Safe procedure and intraoperative management for the patients with a replaced right hepatic artery during pancreaticoduodenectomy
加藤 宏之
1
,
志村 正博
1
,
小池 大助
1
,
加藤 悠太郎
1
,
花井 恒一
1
,
堀口 明彦
1
H. Kato
1
,
M. Shimura
1
,
D. Koike
1
,
Y. Kato
1
,
T. Hanai
1
,
A. Horiguchi
1
1藤田医科大学ばんたね病院消化器外科
キーワード:
変異右肝動脈
,
膵頭十二指腸切除
,
動脈合併切除
Keyword:
変異右肝動脈
,
膵頭十二指腸切除
,
動脈合併切除
pp.593-600
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka87_593
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要旨
・変異右肝動脈(RRHA)は約10%に認められ,そのバリエーションは多彩であり,術前から詳細に走行を検討しておかないと術中損傷をきたす危険性が高くなる.
・また,膵実質内を貫通し,膵鉤筋膜内を通り膵実質に埋もれるように走行している場合もしばしばあるため,肝門側のテーピングと根部側のテーピングをつなげる意識をもってRRHAを剝離していくと安全な剝離が可能となる.
・また,誤って離断された場合,肝側からの逆行性血流を確認することが重要である.通常の膵頭十二指腸切除術(PD)では,肝門板からの動脈交通が維持されるため,対側からの血流供給が多くの場合で期待できる.そのため,肝臓側からの逆行性血流が十分であれば,再建を行わずに経過観察する選択肢も考慮される.

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