2．反回神経損傷時に対する術中・術後のリカバリーショット

Intraoperative and postoperative management of the recurrent laryngeal nerve injury

要旨

・反回神経は嚥下および発声機能のほか食道の運動や気管，食道の知覚，さらには心臓に分布する副交感神経としての機能を有する．

・損傷の予防には，大血管の発生異常なども含め神経走行に関するバリエーションを熟知することと，術中反回神経モニターの使用することが有効である．

・損傷した場合は，即時に再建することで声質の改善が望める．術後の麻痺に関しては，長期に固定した症例にはコラーゲンや自家脂肪組織注入により声質の改善を求めることができる．