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特集 外科臨床研究・臨床試験―どう計画し,どう取り組むか
II. 各論
5.膵癌における周術期治療の開発
Development of perioperative adjuvant therapy for pancreatic cancer
青木 修一
1
,
水間 正道
1
,
海野 倫明
1
S. Aoki
1
,
M. Mizuma
1
,
M. Unno
1
1東北大学病院肝胆膵外科
キーワード:
切除可能膵癌
,
術前補助療法
,
術後補助療法
Keyword:
切除可能膵癌
,
術前補助療法
,
術後補助療法
pp.1231-1236
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka86_1231
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切除可能膵癌に対する術前補助療法として,gemcitabine(GEM)およびS-1併用療法(GS療法)の有用性が第Ⅲ相試験で示され,術前GS療法が切除可能膵癌の標準治療とみなされている.術前療法は不顕性転移に対する治療効果をもたらし,術後再発率の低下および予後の改善を示した.また術前治療による切除率の低下を認めず,周術期安全性も担保されている.近年,欧米での第Ⅲ相試験では,術前治療としてのFOLFIRINOX療法や放射線化学療法の有用性は示されず,切除可能膵癌に対する適切なレジメン選択が必要と考えられる.現在も多くの臨床試験が進行中であり,今後,新たな治療レジメンの開発や,新規バイオマーカーに基づく個別化された周術期治療が構築されると思われる.
© Nankodo Co., Ltd., 2024