Japanese
English
特集 外科手術と感染症
I. 総論
15. 外科感染症と局所陰圧閉鎖療法
Negative pressure wound therapy for surgical site infection
金子 奉暁
1
,
船橋 公彦
1
,
牛込 充則
1
,
鏡 哲
1
,
三浦 康之
1
,
栗原 聰元
1
T. Kaneko
1
,
K. Funahashi
1
,
M. Ushigome
1
,
S. Kagami
1
,
Y. Miura
1
,
A. Kurihara
1
1東邦大学医療センター大森病院一般・消化器外科
キーワード:
創感染
,
陰圧療法
,
予防的陰圧療法
Keyword:
創感染
,
陰圧療法
,
予防的陰圧療法
pp.495-501
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka85_495
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局所陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy:NPWT)は,難治性の開放創を対象とした創傷治癒促進の方法として効果が認められ,広く普及してきた.一方,感染創に関しては,閉鎖環境が感染を悪化させる可能性があり,適応外とされてきた.しかし,洗浄機能付きNPWTの登場により,感染創に対しても適応が可能となった.洗浄機能つきNPWTには,大きく分けて間欠洗浄型と持続洗浄型の2種類があるが,その特徴の違いにより適応創部や時期が異なり,使い分ける必要がある.また,近年,創合併症リスクの高い患者に対する予防的なNPWTの使用も注目されている.これまでの報告からは創感染を含む合併症を減らす可能性が示唆されているが,検討対象や施行方法が不均一のため,効果についての結論は出ていない.コストの問題,適応患者を含め,さらなる検討が必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023