Japanese
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特集 低侵襲内視鏡外科手術の最前線
II. 各論
2. 胃
2)胃癌/接合部癌においてロボット支援下手術は腹腔鏡手術を凌駕するか
Does robotic surgery outperform laparoscopic surgery in gastric cancer and adenocarcinoma of gastroesophageal junction?
佐川 弘之
1
,
伊藤 直
1
,
瀧口 修司
1
H. Sagawa
1
,
S. Itoh
1
,
S. Takiguchi
1
1名古屋市立大学消化器外科
キーワード:
ロボット手術
,
胃癌
,
食道胃接合部癌
Keyword:
ロボット手術
,
胃癌
,
食道胃接合部癌
pp.251-259
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka85_251
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ロボット手術は,多関節機能,手ぶれ防止機能,高拡大3D-HD画像,モーションスケールに代表されるロボット特有の機能が搭載され,腹腔鏡手術と比較してより精緻な手技が可能となった.重要な点は,ロボット手術の特徴および機能を十分理解したうえで,手術手技に反映させることにある.この大原則をもって実践することで,高度進行胃癌や食道胃接合部癌などの高難度症例の手術においてより多くの消化器外科医が安全で安定した成績を残せるようになる可能性が広がる.Bulkyリンパ節郭清に対しても,より精緻で確実な郭清手技や,根治性と臓器機能温存を意識した切離ラインの設定にも優れている.食道胃接合部癌手術(Siewert type 2,3)では,経裂孔的な縦隔内再建での運針手技におけるその有用性は疑いようがない.ロボット手術は,いまだ高コストで,操作範囲の狭さによりカメラワークやシャフト位置の高い空間把握能力が求められるものの,能力を最大限に生かす手技を習得することで,高難度症例に対しても安全面で腹腔鏡手術を凌駕すると期待する.
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