Japanese
English
臨床と研究
小腸閉塞に対する腹腔鏡手術と開腹手術の後ろ向き比較研究
Retrospective comparative study of laparoscopic versus open surgery for small bowel obstruction
平田 渉
1
,
岡部 寛
2
,
平井 健次郎
3
,
大江 秀典
3
,
橘 強
3
,
光吉 明
3
W. Hirata
1
,
H. Okabe
2
,
K. Hirai
3
,
H. Ohe
3
,
T. Tachibana
3
,
A. Mitsuyoshi
3
1市立大津市民病院外科・消化器外科・乳腺外科/京都大学消化管外科
2新東京病院消化器外科
3市立大津市民病院外科・消化器外科・乳腺外科
キーワード:
小腸閉塞
,
腹腔鏡手術
,
傾向スコアマッチング
Keyword:
小腸閉塞
,
腹腔鏡手術
,
傾向スコアマッチング
pp.783-789
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka84_783
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小腸閉塞は時に緊急手術を必要とするが,腹腔鏡手術の技術や器具の進歩に伴い,小腸閉塞に対しても腹腔鏡手術が施行される機会が増えている1).また,小腸閉塞に対する腹腔鏡手術は開腹手術と比較して,術後合併症や術後在院日数を減少させるとの報告1~3)やメタアナリシスもみられる4).しかしながら,腹腔鏡手術が優位とするこれまでのこれらの報告は患者の選択バイアスの影響を受けている可能性が高い.さらに,小腸閉塞に対する腹腔鏡手術は腸管損傷のリスクであるとする報告もあり5),小腸閉塞に対する腹腔鏡手術の適応とその有用性についてのコンセンサスはいまだ得られていない.今回,当科における小腸閉塞に対する腹腔鏡手術の成績を,傾向スコアマッチングを用いて患者背景を調整したうえで開腹手術の成績と後ろ向きに比較し,その有用性と安全性を検証した.
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