Japanese
English
症例
胃癌術後吻合部通過障害の原因としてRoux stasis 症候群との鑑別が困難であった横行結腸間膜脂肪織炎の1例
A case having the diagnostic difficulty between mesenteric panniculitis at the mesocolon and Roux stasis syndrome after distal gastrectomy for gastric cancer
谷 孝文
1
,
太田 恭介
1
,
木許 健生
1
,
川口 勝徳
1
T. Tani
1
,
K. Oota
1
,
T. Kimoto
1
,
K. Kawaguchi
1
1神戸海星病院外科
キーワード:
腸間膜脂肪織炎
,
Roux stasis 症候群
,
胃癌術後吻合部通過障害
,
ステロイド投与
Keyword:
腸間膜脂肪織炎
,
Roux stasis 症候群
,
胃癌術後吻合部通過障害
,
ステロイド投与
pp.945-950
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_945
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はじめに 胃癌幽門側胃切除後の吻合部通過障害は通常術後1~2週目に出現するが,一過性であることがほとんどである.その原因として,器質的なものと機能的なものがあるが,機能的胃切除後通過障害の原因の一つにRoux stasis 症候群がある.今回われわれは,胃癌に対して施行した幽門側胃切除Roux-en Y再建後,器質的吻合部狭窄を認めないにもかかわらず1ヵ月以上にわたり通過障害をきたし,Roux stasis 症候群として保存的加療を行うも奏効せず,再手術を施行した症例を経験した.手術所見から,横行結腸間膜脂肪織炎が通過障害の原因と考えられた.本例はRoux-en Y再建後吻合部通過障害の原因の一つに腸間膜脂肪織炎が関与したと考えられる興味深い症例と思われるので,文献的考察を加え報告する.
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