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特集 専門医必携 新外科手術書―新しい手術手技のエッセンス
V. 肛門
5.Fournier壊疽の診断と治療
Fournier’s gangrene;diagnosis and treatment
栗原 浩幸
1
,
金井 忠男
1
,
赤瀬 崇嘉
1
,
高林 一浩
1
,
八木 貴博
1
H. Kurihara
1
,
T. Kanai
1
,
T. Akase
1
,
K. Takabayashi
1
,
T. Yagi
1
1所沢肛門病院
キーワード:
Fournier壊疽
,
壊死性筋膜炎
,
壊死性軟部組織感染症
,
共力作用
Keyword:
Fournier壊疽
,
壊死性筋膜炎
,
壊死性軟部組織感染症
,
共力作用
pp.559-563
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_559
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Fournier壊疽は,突然若年男性の会陰部に発症して急速に劇症型壊疽を形成する病態を1883年にFournierが報告したことに始まる.BrewerとMeleneyは類似の疾患で病巣から溶血連鎖球菌(hemolytic streptococci)が分離されたものを壊死性筋膜炎(necrotizing fasciitis)と呼んだが,その後この菌が分離されなくても筋膜を含む皮下組織の壊疽を伴うものをやはり壊死性筋膜炎と呼ぶようになった1).Fournier壊疽は壊死性筋膜炎ともいわれるが,筋層にまで病変が進展し,しかもその範囲は腹壁・胸部・背部・下肢にまで広がることがある.現在では陰囊・陰茎・会陰・肛門部から発生する壊死性軟部組織感染症の一つとして認識されている2).
© Nankodo Co., Ltd., 2021