Japanese
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特集 消化管穿孔・虚血に対する低侵襲アプローチ
3.胃十二指腸潰瘍穿孔に対する経皮的ドレナージによる低侵襲治療―手術回避の可能性
Percutaneous abscess drainage for gastroduodenal ulcer perforation
首藤 潔彦
1
,
小杉 千弘
1
,
碓井 彰大
1
,
野島 広之
1
,
村上 崇
1
,
山崎 将人
1
,
清水 宏明
1
,
幸田 圭史
1
K. Shuto
1
,
C. Kosugi
1
,
A. Usui
1
,
H. Nojima
1
,
T. Murakami
1
,
M. Yamazaki
1
,
H. Shimizu
1
,
K. Koda
1
1帝京大学ちば総合医療センター外科
キーワード:
潰瘍
,
穿孔
Keyword:
潰瘍
,
穿孔
pp.217-220
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_217
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十二指腸潰瘍穿孔は,発症初期の消化液による化学性腹膜炎から細菌性腹膜炎へ経時的に移行すると考えられており,消化管内容液の持続的漏出がなければ穿孔部は周囲組織と癒着しself-sealingを形成すると報告されている.われわれは,汚染腹水とfree airの除去が治療の最優先事項と考え,経皮的ドレナージを併用した保存的治療(drainage assisted conservative therapy:DACT)を積極的に施行している.DACTは経胃管的な胃内溶液の排液と経皮的な腹腔内貯留物の排液を同時に行う治療であり,外科的治療と保存的治療の中間的位置づけとして,手術適応に迷う場合や手術が躊躇される場面において有用な選択肢になる可能性がある.Bridge to surgeryあるいは治癒を目指した治療の一つと考えられ,その一端を報告する.
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