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特集 癌検診の展望
II. 各論
1.乳癌検診の感度向上をめざしたマルチモダリティの展望
Possible supplemental breast cancer screening modality for women with dense breasts to increase the sensitivity of breast cancer diagnosis
植松 孝悦
1
T. Uematsu
1
1静岡県立静岡がんセンター乳腺画像診断科
キーワード:
乳癌検診
,
検診マンモグラフィ
,
高濃度乳房
,
補助的乳癌検診モダリティ
Keyword:
乳癌検診
,
検診マンモグラフィ
,
高濃度乳房
,
補助的乳癌検診モダリティ
pp.833-840
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka81_833
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癌検診の最重要評価項目は,癌死亡率減少効果の証明である.乳癌死亡率減少効果が証明されていない乳癌検診のモダリティは,基本的に乳癌検診に使用することは推奨されない.癌検診の効果を評価判定する場合,癌検診の利益と不利益のバランスを検討することが不可欠である.感度と特異度の関係はtrade offであり,乳癌検診の感度向上をめざしてマルチモダリティを導入し,乳癌発見率が上昇しても,要精査率が上昇すればよい乳癌検診とはいえない.また,追加モダリティで発見乳癌が増加しても,乳癌死減少効果が示されなければ,生命を脅かさないおとなしい乳癌を発見しているにすぎない.これは,検診受診者に不利益をもたらす結果となる.現時点で,乳癌死亡率減少効果を証明した補助的検診モダリティは存在せず,高濃度乳房に対して推奨できる補助的検診モダリティはない.
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