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特集 消化管術後合併症―発症要因と対応
8.直腸癌術後排尿・性機能障害の発症要因,予防対策と対応
Postoperative sexual and urinary dysfunction of rectal cancer, factors, prevention and treatments
竹下 惠美子
1
,
奥山 隆
1
,
鮫島 伸一
1
,
新井 学
1
,
大矢 雅敏
1
E. Takeshita
1
,
T. Okuyama
1
,
S. Sameshima
1
,
G. Arai
1
,
M. Oya
1
1獨協医科大学埼玉医療センター
キーワード:
直腸癌術後
,
TME
,
排尿障害
,
性機能障害
Keyword:
直腸癌術後
,
TME
,
排尿障害
,
性機能障害
pp.741-747
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka81_741
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近年の直腸癌の治療成績向上に伴い,術後の生活の質(QOL)の維持は重要性を増している.特に術後排尿・性機能障害は,患者のQOLに大きな影響を与える後遺症であるが,その予防法および評価法,治療法はガイドラインにも記載されていない.自律神経温存手術が標準的に行われている現在でも,排尿障害,性機能障害の発生は50%を超える報告もある.今後,腹腔鏡手術やロボット支援手術の拡大視効果により,より適切な神経温存手術手技が確立される可能性がある.また治療としては現在,排尿障害に対しては随意的排尿,薬物療法,清潔間欠導尿などが,性機能障害に対しては薬物療法が主に実施されているが,泌尿器科領域における今後の進歩により,より有効な治療法が開発されることを期待したい.
© Nankodo Co., Ltd., 2019