Japanese
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特集 脊損の自律神経機能
排尿と性機能障害
Disturbance of Micturition and Sexual Function.
今林 健一
1
Kenichi Imabayashi
1
1東北大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Tohoku University School of Medicine.
キーワード:
排尿
,
性機能障害
Keyword:
排尿
,
性機能障害
pp.403-411
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103994
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はじめに
生体のhomeostasisを維持するということについて自律神経系が重要な役割を果していることは周知の事実である.しかし,一方では体性神経系に比べて自律神経系は形態的にも機能的にもかなり異なったものであるという考え方が自律神経系についての研究の発展を妨げていたことも否定できない.
特に自律神経求心系という考え方1)を含めた新しい解剖・生理学的な問題や,自律神経と体性神経との相互関係の問題2),また自律神経と内分泌系との関係についての問題3),さらには自律神経は標的臓器の運動を支配する以外にもっと大切な役割を果しているのではないかといった問題4),そして睡眠その他の生体が持っている各種のbiorhythmと自律神経系との関係5),など新しい観点に立った自律神経系の研究はようやく端緒についたばかりであるといっても過言ではない.
そこで今回は脊髄損傷患者にみられる排尿障害と男子性機能障害について,前述の新しい考え方をできるだけ取り入れながら検討してみることにする.
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