Japanese
English
特集 消化器疾患に対する機能温存・再建手術
III. 肝胆膵領域
9. 肝門部領域胆管癌に対するtranshepatic hilar approach(THA)下の肝外胆管切除
The procedure and significance of bile duct resection using trashepatic hilar approach for perihilar cholaogiocarcinoma
新貝 達
1
,
栗山 直久
1
,
加藤 宏之
1
,
種村 彰洋
1
,
佐藤 芳邦
2
,
伊佐地 秀司
3
T. Shinkai
1
,
N. Kuriyama
1
,
H. Kato
1
,
A. Tanemura
1
,
Y. Sato
2
,
S. Isaji
3
1三重大学肝胆膵・移植外科
2奥州病院
3三重大学肝胆膵・移植外科
キーワード:
肝門部領域胆管癌
,
transhepatic hilar approach
,
胆管先行切離
Keyword:
肝門部領域胆管癌
,
transhepatic hilar approach
,
胆管先行切離
pp.554-560
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka81_554
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肝門部領域胆管癌の手術においてもっとも重要なことは,いかにR0切除を達成するかということである.しかし従来の手術法では,肝切離を完全に終了し,肝側胆管を切離することによって,手術の最終段階ではじめて胆管断端の癌遺残の有無が判明する.一方,われわれが行っているtranshepatic hilar approach(THA)1)を行えば,手術の序盤で,肝側胆管断端の癌遺残の有無を確認することが可能である.つまり肝十二指腸間膜処理に先駆けて,まず部分肝切離を行って残肝側プレートを広く露出する.次に残肝側で肝動脈・門脈分枝および胆管をそれぞれ確保し,R0切除の可能性を見極め,最初に肝側胆管を切離することでR0切除を確認することが可能である.しかし症例によっては,残肝機能や患者の状態に応じて,肝葉切除を行わず肝門部胆管・肝外胆管切除を行わなければいけない症例も存在する.その場合においてもTHA下の良好な視野にて施行することが有用である.今回,われわれが2011年から行っている肝門部領域胆管癌に対するTHA下の胆管切離の方法と意義,その成績について解説する.
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