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特集 肝胆膵領域における低侵襲手術
7.腹腔鏡下膵頭十二指腸切除の導入
Introduction of laparoscopic pancreaticoduodenectomy
石沢 武彰
1
,
國土 貴嗣
1
,
長谷川 潔
1
T. Ishizawa
1
,
T. Kokudo
1
,
K. Hasegawa
1
1東京大学肝胆膵外科,人工臓器・移植外科
キーワード:
腹腔鏡下膵頭十二指腸切除
,
膵腫瘍
,
低侵襲手術
,
術中蛍光イメージング
Keyword:
腹腔鏡下膵頭十二指腸切除
,
膵腫瘍
,
低侵襲手術
,
術中蛍光イメージング
pp.1242-1248
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka81_1242
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腹腔鏡下膵頭十二指腸切除(LPD)の導入にあたっては,まず自施設が「施設基準」を満たしているか確認し,National Clinical Database(NCD)の術前登録に参加する準備を整える必要がある.保険診療上の本術式の適応は「脈管の合併切除やリンパ節郭清切除が必要でないもの」と定められるが,各施設においては病理および解剖学的な観点から切除適応を明記するとともに,開腹移行の条件もあらかじめ検討しておくべきである.LPDの術式は定型化されているとはいいがたいが,事前に手術手順を定め,手術後には各ステップの所要時間や達成度を評価することが,手術成績の向上と安定につながると考えられる.今後,ロボット支援手術などの新規技術の導入により,再建を含めて開腹と同等かそれ以上の精度で手術を実施できれば,膵切除においても低侵襲手術の意義が強調されていく可能性がある.
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