Japanese
English
特集 ロボット手術の現状と展望
II. 各論
8.膵臓手術
Robot-assisted pancreatic surgery
河口 義邦
1
,
石沢 武彰
1
,
長谷川 潔
1
Y. Kawaguchi
1
,
T. Ishizawa
1
,
K. Hasegawa
1
1東京大学肝胆膵外科,人工臓器移植外科
キーワード:
ロボット支援
,
低侵襲手術
,
膵頭十二指腸切除
,
膵体尾部切除
Keyword:
ロボット支援
,
低侵襲手術
,
膵頭十二指腸切除
,
膵体尾部切除
pp.941-947
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka80_941
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膵臓における低侵襲手術は1990年代に報告がみられるようになり,膵体尾部切除術においては普及しつつある状況である.しかし膵頭十二指腸切除術に対する低侵襲手術については,複雑な切除・再建を要することからまだ広く行われている状況ではない.膵臓におけるロボット支援手術のまとまった報告は2003年にみられ,8例の膵頭十二指腸切除,5例の膵体尾部切除が報告された.2018年現在,膵臓領域のロボット支援手術は保険収載されておらず,日本の診療において一般的に行われているとはいえない状況である.ロボット支援による膵体尾部切除は腹腔鏡手術に比べ出血量の低減や開腹移行率の低減といった利点を示す文献もみられる.またロボット支援による膵頭十二指腸切除は,開腹手術と比べ膵液漏を低減し,そのラーニングカーブは80例と報告がみられる.腹腔鏡手術と比べた場合にロボット支援による手術は縫合が容易であることが強調され,また一般的にも受け入れやすい利点といえる.膵臓の低侵襲手術,特に膵頭十二指腸切除術におけるさらなる応用が期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2018