Japanese
English
症例
超高齢女性の間質性肺炎を背景に嘔吐後に発覚した縦隔気腫の1例
A case of senile spontaneous pneumomediastinum with interstitial pneumonia after vomiting
森脇 義弘
1
,
奥田 淳三
1
,
象谷 ひとみ
1
,
大谷 順
1
Y. Moriwaki
1
,
J. Okuda
1
,
H. Zotani
1
,
J. Otani
1
1雲南市立病院外科
キーワード:
特発性縦隔気腫
,
高齢者
,
気腫消退
Keyword:
特発性縦隔気腫
,
高齢者
,
気腫消退
pp.1044-1047
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka80_1044
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はじめに 特発性縦隔気腫(spontaneous pneumomediastimun,idiopathic mediastinal emphysema)は,CTの普及により一般的病態となりつつあるが,多くは若年者や小児で,高齢者の報告は少ない1,2).気管支系胸膜直下の肺胞破裂から縦隔に進展した気腫と考えられているが3~5),以降の気道内圧上昇原因さえ除去できれば,気腫自体に対する治療も入院経過観察も不要とする意見もある6).一方,食道や気管気管支病変に由来する気腫では縦隔炎から致命的となりうる.気腫消退までの期間は,未認識の致命的原病態から縦隔内への空気流入が続いている進行性二次的病態の鑑別に有用な情報と思われるが,指針となる集計は少ない.今回,食事摂取後の咽頭痛,心窩部痛で発症した肺線維症を基礎とした高齢女性の縦隔気腫を経験したので,過去10年間に医中誌Webで「縦隔気腫」のキーワードで検索しえた症例記載が十分で気胸の合併がない128例の集計と合わせて,経過観察方針を含めた診療戦略についても考察したので報告する.
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