特集 外科手術器具の理論と使用法
Ⅷ.その他の手術器具・材料
止血材料の種類と適切な使用法
小泉 哲
1
,
大坪 毅人
1
1聖マリアンナ医科大学消化器・一般外科
キーワード:
止血材料
,
手術材料
Keyword:
止血材料
,
手術材料
pp.1290-1296
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka79_1290
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ヒトをはじめとして動物には生体防御機構の一つとしての血液凝固機能が備わっているため,軽い外傷などによる出血のほとんどは自然止血が期待できる.しかし外科医であるわれわれは,手術中に自然止血など到底期待できないレベルの,すなわち血液凝固機能の限界を超えた出血の場面にしばしば遭遇する.こういった術中出血に対する適切な対応が行えるということは,安全に手術を全うするうえでたいへん重要である.ゆえに今後外科医をめざすものは,圧迫法,高位挙上法,縫合法,焼灼法などの一般的な止血方法はもちろんのこと,出血の状況に合わせて既存の止血材料を選択し,適切に使用できるようにしておくべきである.本稿では,現在本邦で販売され臨床の現場で使用されている代表的な止血材料をあげ,それぞれの作用機序と特徴を述べるとともに適切な使用方法を解説する.
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