特集 外科手術器具の理論と使用法
Ⅱ.ドレーン
上部消化管手術に用いるドレーンと使用法*
鍋谷 圭宏
1
,
星野 敢
1
,
滝口 伸浩
1
1千葉県がんセンター食道・胃腸外科
キーワード:
上部消化管手術
,
ドレーン
,
臓器/体腔SSI
Keyword:
上部消化管手術
,
ドレーン
,
臓器/体腔SSI
pp.1124-1129
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka79_1124
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上部消化管の手術は今日,主に悪性腫瘍に対するリンパ節郭清を伴う食道切除再建術と,胃全摘術を含む胃切除術が中心である.近年これらの手術の合併症は減少したが,時に発生する縫合不全や膵瘻などによる臓器/体腔手術部位感染(surgical site infection:SSI)の早期発見と重篤化を防ぐためには,適切なドレーンの選択と使用法を理解する必要がある.
上部消化管手術のドレーン留置の主目的は,①予防的,②診断・情報的,③治療的に大別される.しかし,外科医により考え方も異なり,結果的に複数の目的になることがある.本稿では,食道手術と胃手術における一般的なドレーンとその管理を,われわれの経験をふまえて述べたい.
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