特集 外科手術器具の理論と使用法
Ⅰ.糸
消化管領域で用いる吻合用縫合糸選択と使用法*
橋本 貴史
1
,
森 広樹
1
,
朝倉 孝延
1
,
菅原 友樹
1
,
内田 隆行
1
,
柴本 峰彩子
1
,
吉野 耕平
1
,
藤原 大介
1
,
尾﨑 麻子
1
,
那須 元美
1
,
橋口 忠典
1
,
國安 哲史
1
,
富田 夏実
1
,
鶴丸 昌彦
2
,
梶山 美明**
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科
2順天堂大学医学部附属順天堂医院がん治療センター
キーワード:
丸針付きモノフィラメント吸収性縫合糸
,
吻合部治癒機転
,
縫合環境
Keyword:
丸針付きモノフィラメント吸収性縫合糸
,
吻合部治癒機転
,
縫合環境
pp.1107-1110
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka79_1107
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
鏡視下手術の進歩とともに自動吻合器や自動縫合器を用いた器械吻合も広く行われるようになったが,手縫いによる吻合を必要とする場面は依然多く存在し,消化器外科医にとって消化管の手縫い吻合の習得は必要不可欠である.手縫い吻合の際には縫合部の創部感染や炎症反応を少なくするように縫合環境を整えることや,適切な縫合糸を選択することも縫合不全などの合併症を回避するうえで重要なポイントである1).本稿ではこの手縫い吻合の際に用いられる縫合糸に関して,その選択について吻合部における創傷治癒機転もふまえて概説し,さらに当科で標準化して行っている吻合法について縫合環境も含めて述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2017