特集 外科の近未来 ──1,000号記念
近未来の再生医療と外科
-肝再生医療の展望と乳歯歯髄幹細胞
田口 智章
1
,
山座 孝義
2
,
松浦 俊治
1
,
高橋 良彰
1
,
岩中 剛
1
,
栁 佑典
1
,
吉丸 耕一郎
1
,
山座 冶義
3
,
野中 和明
3
,
中山 功一
4
,
小林 英司
5
,
大賀 正一
6
1九州大学小児外科
2九州大学分子口腔解剖学
3九州大学小児口腔医学
4佐賀大学臓器再生医工学
5慶應義塾大学臓器再生医学
6九州大学成長発達医学
キーワード:
肝移植
,
肝再生
,
ミニ肝臓
,
乳歯歯髄幹細胞
Keyword:
肝移植
,
肝再生
,
ミニ肝臓
,
乳歯歯髄幹細胞
pp.1023-1030
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka79_1023
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乳歯歯髄幹細胞(SHED)は幹細胞として理想的なもので,造腫瘍性のリスクはなく,多分化能,細胞分裂能に優れ,免疫寛容性も有している.SHEDを使った肝細胞移植およびミニ肝移植や大きな肝臓を作成することにより,肝移植の代替治療として低侵襲で安全な治療法の開発が期待される.成人でも智歯(おやしらず)から歯髄幹細胞を採取することができるので今後適応範囲は広がるものと期待される.歯髄幹細胞を細胞源とする再生医療は外科治療に無限の可能性を提供してくれるであろう.
© Nankodo Co., Ltd., 2017