Japanese
English
脊柱変形up-to-date Ⅲ.成人脊柱変形
3.手術療法
3)出血対策
成人脊柱変形手術でのトラネキサム酸投与の手術出血量の減少に対する効果
Tranexamic acid is associated with low blood loss in patients with adult spinal deformity
平田 光
1
,
井上 泰一
1
,
澤村 英祥
1
,
白石 康幸
1
,
木村 敦
1
,
竹下 克志
1
K. Hirata
1
,
H. Inoue
1
,
H. Sawamura
1
,
Y. Shiraishi
1
,
A. Kimura
1
,
K. Takeshita
1
1自治医科大学整形外科
1Dept. of Orthop., Jichi Medical University, Shimotsuke
キーワード:
tranexamic acid
,
adult spinal deformity
,
blood loss
Keyword:
tranexamic acid
,
adult spinal deformity
,
blood loss
pp.163-165
発行日 2025年4月20日
Published Date 2025/4/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei87_163
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は じ め に
成人脊柱変形は,加齢や骨折などによって椎骨や椎間板に負担がかかり,脊柱の変形が悪化して起こるほか,特発性側弯症の加齢による悪化が原因といわれている.このような変形が大きくなると,歩行や長時間立っていることがむずかしくなり日常生活に支障が生じる.成人脊柱変形の治療として,薬物療法,装具療法,運動療法,手術療法などがある.
また,トラネキサム酸は周術期に投与することで手術出血量の減少に有効であったとの報告が整形外科領域で散見される.トラネキサム酸による周術期の出血量が軽減されることは,人工関節手術で報告されており,人工膝関節全置換術,人工股関節全置換術において術中・術後総出血量がプラセボ群に比較してトラネキサム酸静脈内投与した群が有意に減少したとの報告がある1,2).
脊椎手術においては,腰椎後方固定術でトラネキサム酸を静脈内投与した群で術後出血量が有意に低下した3)という報告や,1椎間の腰椎後方固定術で術直前にトラネキサム酸を静脈内投与し,非投与群と比較したところ術中術後出血量は有意差がなかった4)という報告もあり,一定の見解が得られていない.
本研究の目的は,トラネキサム酸投与が成人脊柱変形手術の術中出血量に与える影響,有効性について検討することである.

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