Japanese
English
上肢疾患の診断と治療の進歩(新鮮外傷を除く) Ⅱ.疾患各論
3.手関節・手
3)Heberden結節
Heberden結節に対する整容・機能面に配慮した指節間関節固定術の有効性と課題
Effectiveness and challenges of interphalangeal joint arthrodesis with consideration to cosmetic and functional aspects
市原 理司
1
,
石井 紗矢佳
1
,
石島 旨章
2
S. Ichihara
1
,
S. Ishii
1
,
M. Ishijima
2
1順天堂大学医学部附属浦安病院整形外科・手外科センター
2順天堂大学整形外科学講座
1Dept. of Orthop. Surg., Hand Surgery Center, Juntendo University Urayasu Hospital, Urayasu
キーワード:
Heberden nodule
,
arthrodesis
,
IP joint
,
double thread screw
Keyword:
Heberden nodule
,
arthrodesis
,
IP joint
,
double thread screw
pp.92-96
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei82_92
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は じ め に
保存的治療で改善が得られないHeberden結節に対して,除痛や変形の矯正を目的に指節間関節固定術が行われている1).関節固定の際に使用される内固定材料としてKirschner鋼線,プレート,スクリュー2),引き寄せ締結3),そして髄内釘などが一般的であるが4),近年では偽関節率を低下させるために,ダブルスレッドスクリューを経皮的に挿入し関節固定部に圧迫力を加える報告が散見される5).標準的な骨折手術や関節固定において,骨片間に圧迫力を加えることは偽関節の発生リスクを低下させるために不可欠であり,また,関節固定の際には軟骨面を除去し海綿骨部を露出させ骨癒合を促進する必要がある6).われわれはHeberden結節による手指の変形や疼痛に対して,髄内埋没型のコンプレッションスクリューを指節間関節固定術に用いることで,整容面・機能面での患者満足度の向上と,偽関節といった術後合併症の発生率を低下させ良好な中期成績が得られているか否かを検討した.
© Nankodo Co., Ltd., 2022