Japanese
English
上肢疾患の診断と治療の進歩(新鮮外傷を除く) Ⅱ.疾患各論
1.肩関節・上腕部
2)凍結肩
凍結肩に対する診断と治療の工夫
Diagnostic and treatment strategy for frozen shoulder
大歳 晃生
1
,
藤澤 隆弘
1
,
草場 洋平
1
,
川端 佑介
1
,
宮武 和馬
1
,
稲葉 裕
1
A. Otoshi
1
,
T. Fujisawa
1
,
Y. Kusaba
1
,
Y. Kawabata
1
,
K. Miyatake
1
,
Y. Inaba
1
1横浜市立大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Yokohama City University, Yokohama
キーワード:
frozen shoulder
,
diagnosis
,
silent manipulation
Keyword:
frozen shoulder
,
diagnosis
,
silent manipulation
pp.70-73
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei82_70
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は じ め に
中高年に発症する肩の痛みの一つに凍結肩がある.40~60歳代の女性に多く,夜間痛を特徴とする1).わが国では「五十肩」,「肩関節周囲炎」,「癒着性関節包炎」と同義語として扱われてきた.International Society of Arthroscopy,Knee Surgery and Orthopaedic Sports Medicine(ISAKOS)Upper Extremity Committeeでは凍結肩は一次性,すなわち特発性の肩関節拘縮のうち,屈曲100°未満,外旋10°未満,内旋L5未満のものと定義されている2).日本肩関節学会においても近年,凍結肩を特発性の肩関節拘縮と定義することが提唱されたが,いまだに用語や定義の統一は得られておらず3),その診断・治療では曖昧な部分を残す.
一方,凍結肩に対する治療として皆川・朴らが考案したサイレントマニピュレーション(SM)はその良好な短期成績がわが国を中心に報告されている.特に凍結肩治療における新たな選択肢として注目されている4).
本稿では凍結肩の診断,SMにおける当院での工夫や注意点を述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2022