Japanese
English
運動器疾患に対する保存的治療――私はこうしている Ⅳ.上肢疾患に対する保存的治療
凍結肩に対する非観血的関節授動術(サイレント・マニピュレーション)の術後成績
Outcomes of closed mobilization for the frozen shoulder
横矢 晋
1
,
白石 勝範
2
,
松原 紀昌
3
,
安達 伸生
3
S. Yokoya
1
,
K. Shiraishi
2
,
N. Matsubara
3
,
N. Adachi
3
1広島大学病院整形外科
2松山市民病院整形外科
3広島大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Hiroshima University Hospital, Hiroshima
キーワード:
frozen shoulder
,
contracture
,
silent manipulation
,
closed mobilization
,
arthroscopic capsular release
Keyword:
frozen shoulder
,
contracture
,
silent manipulation
,
closed mobilization
,
arthroscopic capsular release
pp.66-70
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei76_66
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は じ め に
一般診療でよく耳にする「五十肩」とは学術的には凍結肩といわれており,特に誘因なく発症する一次性肩関節拘縮を指す1).一般的に保存的治療によく反応する予後良好な疾患といわれている2)が,保存的治療に抵抗する症例も存在し,時に治癒までに数ヵ月~数年必要な場合もある3).難治例には鏡視下関節授動術(arthroscopic capsular release:ACR)が行われるが,① 入院が必要であるうえに,② 高額な医療費がかかる,③ 感染のリスクがある,などの欠点がある.近年,皆川はエコーガイド下に斜角筋ブロックを行った後で非観血的関節授動術を行ういわゆるサイレント・マニピュレーション(silentmanipulation:SM)を報告している4)(図1)が,この手技は入院を必要としない簡便な方法であり,上記のリスクは存在しない.われわれは,このSMの治療成績とACRの成績を比較検討したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019