Japanese
English
経験と考察
凍結肩に対する斜角筋ブロック下徒手授動術後の難治例の検討
A study of refractory cases after manipulation under ultrasound-guided cervical nerve root block for frozen shoulder
藤林 功
1
,
三谷 誠
1
,
中条 洸一
1
,
牟田口 由紀子
1
,
若松 亮太
1
,
黒澤 堯
1
,
尾﨑 琢磨
1
I. Fujibayashi
1
,
M. Mitani
1
,
K. Chujo
1
,
Y. Mutaguchi
1
,
R. Wakamatsu
1
,
T. Kurosawa
1
,
T. Ozaki
1
1姫路聖マリア病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Himeji St. Mary’s Hospital, Himeji
キーワード:
frozen shoulder
,
manipulation under anesthesia
,
refractory case
Keyword:
frozen shoulder
,
manipulation under anesthesia
,
refractory case
pp.879-882
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_879
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は じ め に
凍結肩は,肩関節の自動および他動可動域制限を特徴とする疾患で,骨萎縮や石灰沈着はあってもよいが,基本的にはX線像で異常がないものとされている1).
凍結肩の治療に関しては90%が保存療法で改善するとの報告2)がある一方で,50%は疼痛や可動域制限が残存したとの報告3)もある.また,難治例に対しては,麻酔下での徒手授動術(MUA)や鏡視下授動術がすすめられており4),Vastamäkiらは保存療法に反応しない強い疼痛と拘縮のある患者には,治療法の選択肢の一つとして麻酔下での徒手授動術を推奨すると述べている5).
当科では皆川の方法6)に準じてエコーガイド下でC5,C6ブロック後にMUAを行っており,先行研究でMUA,鏡視下授動術,関節内ステロイド注射の比較においてMUAで早期に疼痛と可動域が改善したと報告7)したが,以降症例数を重ねるにつれMUA後の難治例を経験することがある.
われわれは,初回MUA後の難治例に対し再度MUAを必要とした症例について検討したので報告する.

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