Japanese
English
整形外科外来診療の工夫――診断,保存療法,外来手術 Ⅱ.部位別疾患と保存療法
2.肩関節
凍結肩の診断と治療
Diagnosis and treatment of frozen shoulder
西頭 知宏
1
,
笹沼 秀幸
1
,
飯島 裕生
1
,
竹下 克志
1
T. Saito
1
,
H. Sasanuma
1
,
Y. Iijima
1
,
K. Takeshita
1
1自治医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Jichi Medical University, Shimotsuke
キーワード:
frozen shoulder
,
dynamic MRI
,
manipulation
Keyword:
frozen shoulder
,
dynamic MRI
,
manipulation
pp.111-114
発行日 2024年10月31日
Published Date 2024/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei86_111
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は じ め に
凍結肩は,外来診療でもっとも多く遭遇する肩関節疾患の一つである.40~60歳に好発し,やや女性に多い.一般人の発生率は2~5%,1年間に1,000人あたり女性で3.38人,男性で2.36人との報告がある1).症状は肩痛,肩関節可動域(ROM)制限であり,症状は潜在的に現れ,徐々に進行していくことが多い.
一般的に凍結肩は,炎症期,拘縮期,回復期の三期に分けられる.各期に明確な基準はないが,炎症期は疼痛が強く,ROM制限が徐々に進行する時期で,発症から2~9ヵ月程度とされる.拘縮期は,疼痛は徐々に軽減していくがROM制限が強くなる時期で,発症から4~12ヵ月程度とされる.また,回復期はROM制限が軽快し日常生活動作(ADL)が上昇していく時期であり,5~26ヵ月程度とされる1).国際関節鏡・膝関節・整形外科スポーツ医学会(ISAKOS)のUpper Extremity Committeeによれば,前方屈曲<100°,下垂外旋<10°,結帯<L5の3方向すべてのROM制限を満たす例を典型的な拘縮期としている1).
診断,治療に関して画一的なものはないが,われわれが取り組んでいるdynamic MRIによる診断と非観血的肩関節授動術について報告する.
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