Japanese
English
上肢疾患の診断と治療の進歩(新鮮外傷を除く) Ⅱ.疾患各論
6.神経障害・末梢神経疾患
5)手根管症候群
有鉤骨鉤の解剖学的破格が鏡視下手根管開放術に与える影響
Association between anatomic variation of the hamate hook and complications of endoscopic carpal tunnel release
斉藤 公亮
1
,
岡田 充弘
1
,
石河 恵
2
,
中村 博亮
1
K. Saito
1
,
M. Okada
1
,
M. Ishiko
2
,
H. Nakamura
1
1大阪公立大学整形外科
2淀川キリスト教病院整形外科
1Dept of Orthop. Surg., Osaka Metropolitan University Graduate School of Medicine, Osaka
キーワード:
endoscopic carpal tunnel release
,
hook of hamate
,
complications
Keyword:
endoscopic carpal tunnel release
,
hook of hamate
,
complications
pp.160-163
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei82_160
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は じ め に
手根管症候群(CTS)に対する手術的治療の目的は横手根靱帯を切離し正中神経を除圧することにある.術式は直視下手根管開放術(OCTR),鏡視下手根管開放術(ECTR)に大別される.OCTRと異なり,術野を直視できないECTRでは適切な位置にポータルを作製することが必要である.その際に,有鉤骨鉤は手根管の尺側縁として触知可能なランドマークとして重要である.しかし,有鉤骨鉤には解剖学的破格として低形成が存在し,ECTRを施行する際に注意を要するとされ1~3),有鉤骨鉤の低形成の発生率は2,000体の献体を用いた有鉤骨鉤の形態研究で3.1%であったと報告されている3).
本研究では,当院でECTRを施行した症例の有鉤骨鉤の低形成の発生率および有害事象の有無を検討したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022