Japanese
English
上肢疾患の診断と治療の進歩(新鮮外傷を除く) Ⅰ.総 論
1.病態・診断
1)画像評価
肘内側側副靱帯損傷に対する靱帯再建術が肘関節接触面に及ぼす影響
Changes in elbow joint contact area after medial ulnar collateral ligament reconstruction
門間 太輔
1
,
沼口 京介
2
,
岩崎 倫政
2
D. Momma
1
,
K. Numaguchi
2
,
N. Iwasaki
2
1北海道大学病院スポーツ医学診療センター
2北海道大学大学院整形外科
1Center for Sports Medicine, Hokkaido University Hospital, Sapporo
キーワード:
MCL
,
injury
,
elbow
,
reconstruction
,
joint contact area
,
3D-CT bone model
Keyword:
MCL
,
injury
,
elbow
,
reconstruction
,
joint contact area
,
3D-CT bone model
pp.15-20
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei82_15
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は じ め に
肘内側側副靱帯(medial ulnar collateral ligament:MCL)損傷は,野球選手,特に投手に多く報告されている.1986年にJobeらによりMCL再建術が報告され1),以後,その術式が研究されるとともに良好な成績が報告されており,わが国においても症例数は激増している.しかし,一部に完全復帰できない投手が存在しており,また,再建術の有効性に関して客観的なin vivoの評価が少ないといった問題点が存在する2).
治療方針の決定や治療の有効性の評価に関節接触面の評価が有用であることが報告されている3).近年,三次元骨モデルを用いることで,生体内の三次元的な関節接触面の評価が可能になっており4),先行研究においてMCL不全に特徴的な関節接触面が報告された5).
そこでわれわれは仮説として,MCL不全に対する靱帯再建術により生体内における外反ストレス下の肘関節接触面は変化すると考えた.本稿では,三次元骨モデルを用いてMCL再建術を施行された選手の術前と術後1年の肘関節接触面を評価し,再建術が関節接触面に与える影響を検討した.
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