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膝内側側副靱帯浅層と後斜走靱帯の走行と付着部の解剖学的検討
Morphology of the insertions of the superficial medial collateral ligament and posterior oblique ligament using 3-dimensional computed tomography;a cadaveric study
西郷 峻瑛
1
T. Saigo
1
1岩手医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Iwate Medical University School of Medicine, Morioka
キーワード:
sMCL
,
POL
,
reconstruction
Keyword:
sMCL
,
POL
,
reconstruction
pp.785-788
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_785
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【要 旨】
目 的:膝内側側副靱帯浅層(superficial medial collateral ligament:sMCL)と,後斜走靱帯(posterior oblique ligament:POL)の走行と付着部の解剖学的検討を行い,解剖学的再建術に有用な各靱帯の付着部と骨性指標の位置関係を,明らかにすることである.
対象および方法:解剖学実習用解剖体22(男性18,女性4)膝(死亡時平均年齢78歳)を使用した.皮膚,内側膝蓋支帯,鵞足を切除してsMCLとPOLを剖出し,付着部を同定し,付着部周囲にφ1.2mmのドリルでマーキングを行った.マーキングした膝をCTで撮影し3D解析ソフトを使用して3Dモデルを構築した.sMCLとPOLの付着部の位置と骨性指標との関連を分析した.
結 果:大腿骨においてsMCLは約21mm,POLは約18mm,大内転筋結節(adductor tubercle:AT)の遠位に位置していた.脛骨側においてsMCLは脛骨稜に幅広く付着しており,POLは脛骨後内側,semimembranosus grooveの上縁内側に付着していた.
結 論:sMCLとPOLの付着部と骨性指標との関連について解剖学的検討を行った.大腿骨側ではATが,脛骨側ではsemimembranosus grooveが再建術の際の有用な骨性指標となり得ると考えられた.
© Nankodo Co., Ltd., 2018