整形外科 名人のknow-how
肘内側側副靱帯再建術
高橋 啓
1
,
古島 弘三
2
Toru TAKAHASHI
1
,
Kozo FURUSHIMA
2
1慶友整形外科病院
2同上,副院長,スポーツセンター長
pp.902-909
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003053
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肘内側側副靱帯(ulnar collateral ligament;UCL)は,肘関節外反制動性に寄与しており,UCL損傷は野球を中心とするオーバーヘッドスポーツなどで繰り返される外反ストレスの結果生じる。UCL再建術は1974年にFrank Jobe博士によって初めて行われた1)。手術療法における諸家の報告ではUCL再建術後の競技復帰率は70~94%と良好な成績を得ている2)~6)。当院での手術療法は,1990年に当院伊藤恵康先生が行った伊藤法で一貫して行っており,その数は1,100例以上となる。本術式は,主にアスリートレベルの患者に対して行う術式であり,常に100%の復帰率を求められるため,特に細部までこだわった手術が必要と考えている。最近ではさらなる復帰率の向上を目指して移植腱にねじりを加えたtwisting technique(伊藤–古島法)を追加し,他のUCL再建術と比べても良好な成績を得ている。本稿では当院での手術適応と術式および手術成績を紹介する。
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