Japanese
English
骨・関節感染症の治療戦略 Ⅴ.治療各論
4.骨折関連感染
Gustilo分類type ⅢB下腿開放骨折の感染低減化に向けた取り組み
Treatment strategy for reduction of deep infection in Gustilo type ⅢB open fracture of the tibia
太田 悟司
1
,
山下 伸之輔
1
,
塚本 義博
1
,
藤田 俊史
1
,
大西 英次郎
1
,
安田 義
1
S. Ota
1
,
S. Yamashita
1
,
Y. Tsukamoto
1
,
S. Fujita
1
,
E. Onishi
1
,
T. Yasuda
1
1神戸市立医療センター中央市民病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kobe City Medical Center General Hospital, Kobe
キーワード:
open fracture
,
tibia
,
treatment strategy
,
deep infection
Keyword:
open fracture
,
tibia
,
treatment strategy
,
deep infection
pp.180-184
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei81_180
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は じ め に
下腿は開放骨折部位としてもっとも頻度が高く,Gustilo分類type ⅢB下腿開放骨折は骨・軟部組織の広範な欠損を伴う高エネルギー外傷である.通常創汚染が高度であるために深部感染を生じる危険性が高い1,2).深部感染を防止するために,これまで種々の取り組みがなされてきた.しかし深部感染を起こす要因は特定されておらず,感染を避けるための方法も未確定のままである.
当科でGustilo分類type ⅢB下腿開放骨折感染の防止策を検討した結果,① 徹底したデブリドマンを行い初期治療時から陰圧閉鎖療法を使用すること,② 開放創のセカンドルックを必ず行い,原則初回手術から72時間以内に施行すること,③ 初回手術から14日以内に軟部組織再建を完了させることの3項目を治療原則とした.
本稿の目的は,治療原則策定前に治療したGustilo分類type ⅢB下腿開放骨折例と治療原則に則り治療したGustilo分類type ⅢB下腿開放骨折例を比較して,深部感染発症率の相違について検討することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2022