Japanese
English
骨・軟部腫瘍のマネジメント(その2) Ⅵ.転移性骨腫瘍の治療
1)薬物治療
転移性骨腫瘍の薬物療法
-――骨修飾薬の合併症対策
Medications for bone metastases
薛 宇孝
1
,
遠藤 誠
2
,
藤原 稔史
2
,
飯田 圭一郎
2
,
松本 嘉寛
2
,
中島 康晴
2
N. Setsu
1
,
M. Endo
2
,
T. Fujiwara
2
,
K. Iida
2
,
Y. Matsumoto
2
,
Y. Nakashima
2
1九州がんセンター整形外科
2九州大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kyushu Cancer Center, Fukuoka
キーワード:
skeletal-related event
,
denosumab
,
bisphosphonate
,
osteonecrosis
,
atypical femoral fracture
,
bone modifying agent
Keyword:
skeletal-related event
,
denosumab
,
bisphosphonate
,
osteonecrosis
,
atypical femoral fracture
,
bone modifying agent
pp.144-149
発行日 2021年10月25日
Published Date 2021/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei80_144
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は じ め に
がんの骨転移に対する薬物療法は,破骨細胞に作用して骨吸収を阻害する骨修飾薬(BMA),がん細胞そのものをおさえる化学療法やホルモン療法,放射性医薬品の三つに大別される.化学療法やホルモン療法,放射性医薬品の適応ががんの種類や抗悪性腫瘍薬感受性に左右されるのに対し,BMAはほぼすべての転移性骨腫瘍に適応がある.BMAにはビスホスホネート製剤(BP)と抗receptor activator of NF-κB ligand(RANKL)抗体であるデノスマブの2種類があるが,いずれも骨粗鬆症の治療にも用いられており,整形外科医にとって馴染みのある薬剤である.転移性骨腫瘍に対応するがん診療チームのなかで整形外科医がはたすべき役割には手術的治療をはじめとしてさまざまなものがあるが,BMAについてもその作用機序や合併症に習熟した整形外科医が積極的に助言をすべきである.本稿では薬物治療のなかでも主にBMAについて概説し,特にその合併症への対策を紹介する.
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