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非定型大腿骨骨折(atypical femoral fracture:AFF)は,大腿骨転子下あるいは骨幹部に好発する非外傷性骨折である1).外側皮質骨に疲労骨折が生じ,それが転倒のような軽微な外力によって破綻して,内側皮質骨に骨折が及び完全骨折にいたるとされ,骨折線は外側皮質骨に始まり,多くが横走し,大腿骨内側へ及ぶにしたがって斜めになる2).外骨膜肥厚,横・斜骨折,内側スパイクが特徴的である2).両側発生例がみられる3).AFFの主な発生要因として,ビスホスホネート(BP)長期治療(中央値7年)やグルココルチコイド(GC)長期使用などがある1).AFFでは,骨癒合が遷延することは知られている3).したがって,骨癒合までの期間を短縮することを目的に,テリパラチド(TPTD)の使用が提案されている3).特に,GC治療中の患者では,骨癒合の障害が想定されるため4),TPTDなどの骨癒合を促進しうる薬剤選択が検討される.
TPTDは,GC誘発性骨粗鬆症(GIOP)に対する薬物療法における選択肢の一つである5).添付文書によるとTPTDは「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」に使用されるが,適用外使用であるものの,添付文書上の効能・効果を満たせば,骨折抑制効果に加えて骨癒合の促進も期待し使用可能である.これまでに,AFFに対するTPTD連日製剤(遺伝子組み換え)と週1回製剤(酢酸塩)の骨癒合に対する効果の報告は散見されるが6,7),週1回製剤に比べて,骨形成マーカーであるⅠ型プロコラーゲン-N-プロペプチド(P1NP)の増加率がよい傾向にあるTPTD週2回製剤8)の効果を示した報告は,渉猟しえた範囲では見当たらない.
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