Japanese
English
鏡視下手術の進歩――小関節から脊椎まで Ⅲ.肘関節
変形性肘関節症に対する関節鏡視下手術の実際
Technique and clinical outcome of arthroscopic arthroplasty for elbow osteoarthritis
富田 一誠
1
,
久保田 豊
1
,
小原 賢司
1
,
久保 和俊
1
,
渡邊 幹彦
2,3
,
川崎 恵吉
3
,
稲垣 克記
3
K. Tomita
1
,
Y. Kubota
1
,
K. Ohara
1
,
K. Kubo
1
,
M. Watanabe
2,3
,
K. Kawasaki
3
,
K. Inagaki
3
1昭和大学江東豊洲病院整形外科
2東京明日佳病院
3昭和大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Showa University Koto Toyosu Hospital, Tokyo
キーワード:
elbow
,
OA
,
arthroscopic arthroplasty
,
MIS
,
débridement
Keyword:
elbow
,
OA
,
arthroscopic arthroplasty
,
MIS
,
débridement
pp.95-100
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei77_95
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は じ め に
変形性肘関節症(肘OA)は,肘関節運動時の痛み,運動後の痛み,最大可動域(ROM)での痛み,急な激痛などを呈する.さらに,顔に手が届かない,ボタンがしめられない,などROM制限による機能障害を認め,急な激痛とともに肘を動かせなくなるロッキング現象などを呈する.これは,労働やスポーツにより上肢の負担が増えることで,関節内に軟骨変性,骨棘や遊離体が形成されることが主な原因である.
肘関節は,重要軟部組織が複雑に存在するために関節内の展開は容易ではない.Tsugeら1)やWadaら2)は,観血的に関節を展開して直視下に遊離体と骨棘切除を行い,良好な治療成績を報告している.一方で,関節鏡の発展と解剖学的に安全なポータルの報告により,侵襲の少ない関節鏡手術が肘関節へ応用されるようになった3).
本稿では当科で行っている肘OAに対する関節鏡視下形成術を紹介し,その治療成績について述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2020