Japanese
English
鏡視下手術の進歩――小関節から脊椎まで Ⅳ.手部・手関節
三角線維軟骨複合体損傷に対する関節鏡視下修復術の治療経験
-――関節鏡手術の適応と限界
Clinical outcome of arthroscopic repair for the triangular fibrocartilage complex injury
久保田 豊
1
,
富田 一誠
1
,
久保 和俊
2
,
川崎 恵吉
3
,
稲垣 克記
2
Y. Kubota
1
,
K. Tomita
1
,
K. Kubo
2
,
K. Kawasaki
3
,
K. Inagaki
2
1昭和大学江東豊洲病院整形外科
2昭和大学整形外科
3昭和大学横浜市北部病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Showa University Koto Toyosu Hospital, Tokyo
キーワード:
arthroscopic repair
,
TFCC
,
fovea sign
,
foveal repair
,
distal radioulnar joint instability
Keyword:
arthroscopic repair
,
TFCC
,
fovea sign
,
foveal repair
,
distal radioulnar joint instability
pp.151-154
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei77_151
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は じ め に
手関節尺側部痛の治療は,その多くが病態不明であったため,手術方法として尺骨短縮術や三角線維軟骨複合体(TFCC)切除術などが行われてきた.1981年にPalmerら1)がTFCCの解剖と機能を報告し,1996年にNakamuraら2)がTFCCの三次元構造を提唱して以来,その解剖学的特徴が徐々に解明されつつある.さらに関節鏡機器や技術の進歩に伴い,TFCCの治療は大きく進歩し,関節鏡下に病態を診断でき,同時に一期的に修復術が行えるようになった.当科では,TFCCの構造を考慮し,解剖学的再構築を目標として,尺骨小窩剥脱は経尺骨的に尺骨小窩へプルアウト法で,周辺靱帯損傷は経関節包で修復している.当科で行っているTFCC損傷の治療成績を調査し,関節鏡視下手術の適応と限界を検討する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020