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踵腓靱帯再建術時の初期固定張力が足関節キネマティクス・制動性・再建靱帯張力に与える影響
Effect of initial graft tension during calcaneofibular ligament reconstruction on ankle kinematics and laxity
榊原 醸
1
Y. Sakakibara
1
1札幌医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., School of Medicine, Sapporo Medical University, Sapporo
キーワード:
initial graft tension
,
calcaneofibular ligament
,
lateral ankle instability
Keyword:
initial graft tension
,
calcaneofibular ligament
,
lateral ankle instability
pp.815-819
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_815
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【要 旨】
目 的:足関節外側靱帯再建術の初期固定張力が足関節のバイオメカニクスに及ぼす影響は明らかにされていない.本研究の目的は,踵腓靱帯再建術の初期固定張力が足関節キネマティクス,制動性,再建靱帯にかかる張力に及ぼす影響を検討することである.
対象および方法:未固定凍結人体標本の足関節(n=12)を用いて,正常,踵腓靱帯切離,踵腓靱帯再建(初期固定張力10N,30N,50N,70N)の各条件で6自由度ロボットシステムによる関節力学試験を行った.底屈30°から背屈15°までの他動底背屈運動と背屈15°,0°,底屈15°,底屈30°における前後方60N,内がえし外がえし1.7Nm,内外旋1.7Nmの負荷試験を行い,足関節の三次元的運動と再建靱帯にかかる張力を記録した.
結 果:初期固定張力30N以上の再建術では,正常足関節と比較して,踵骨のキネマティクスは有意に後方,外がえし変位を認めた.また初期固定張力の上昇に伴い,再建靱帯張力は増大した.
考 察:初期固定張力30N以上の踵腓靱帯再建術では,正常と異なるキネマティクス,過制動,過剰な再建靱帯張力が認められた.本研究により,生理的足関節を模倣するためには,過剰な初期固定張力は避けるべきと考えられた.
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