3Dプリンタを利用したpatient specific instrumentationにおけるデザインの工夫とセット化 -――寛骨臼回転骨切り術，大腿骨前方回転骨切り術，大腿骨弯曲内反骨切り術編

Application and design of patient specific instruments using 3D printers；rotational acetabular osteotomy, femoral anterior rotational osteotomy, femoral curved varus osteotomy

は じ め に

　3Dプリンタはさまざまな分野で使用されているが，医療分野でも使用が拡大してきている．整形外科分野ではpatient specific instrumentation（PSI）として，人工膝関節置換術と上腕，前腕の変形治癒骨折矯正手術においてすでに保険収載されている．そのほかの部位では人工股関節全置換術や寛骨臼回転骨切り術，大腿骨回転骨切り術での応用が報告されている．ただし，従来のほとんどのガイドが1ピースで位置決めから骨切りまでを行うデザインであり，ガイドそのものが大きいため，術野での操作性がわるいことが多かった．また，軟部組織の剥離が不十分でガイドが浮いてしまい，予定の骨切り面からずれてしまうことや骨切り前に気がついても微調整する方法がないなどの問題点があった．われわれは，複数のパーツを組み合わせることで，これらの問題点を改善した．