Japanese
English
整形外科診療における最先端技術 Ⅴ.リハビリテーション,義肢,装具
義手開発における3Dプリンタの臨床応用
Clinical application of 3D printer in artificial arm development
砥上 若菜
1
,
中村 英一
2
,
徳岡 博文
3
,
小山 雄二郎
1
,
山鹿 眞紀夫
4
,
古閑 博明
4
W. Togami
1
,
E. Nakamura
2
,
H. Tokuoka
3
,
Y. Oyama
1
,
M. Yamaga
4
,
H. Koga
4
1熊本大学病院リハビリテーション科
2熊本大学病院整形外科
3有薗義肢株式会社
4熊本リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Dept. of Rehabilitation and Physical Medicine, Kumamoto University, Kumamoto
キーワード:
artificial arm
,
3D printer
,
partial hand amputation
Keyword:
artificial arm
,
3D printer
,
partial hand amputation
pp.253-256
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei75_253
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は じ め に
近年,内部構造を含む立体の3D構造データに基づき,輪切りにした断面形状を樹脂などで0.01~0.1mmの厚みに造形し,それを順次重ねていくことにより複雑な立体構造を作製できる「積層造形装置」である3Dプリンタが開発され,その機能向上や材料,機械の低コスト化は工業のみならず,医療においてもその影響を及ぼしている.3Dプリンタは,① 成形型を用いずに単体または少量のモデル作成ができる,② 少量生産でも価格を抑えられる,③ カスタマイズできる,④ 自由度の高い設計ができる,などの特徴をもつことから1,2),3Dプリンタの臨床応用は,構造力学を扱う口腔外科に次いで,整形外科およびリハビリテーション領域でも盛んに行われるようになり3,4),特に,義肢装具の作製において注目を集めている.
従来,義手における迅速交換式継手は断端末に取りつけることが多く,手関節より遠位部での切断ではさまざまな器具を継手先端に取りつけた場合,断端以遠が健側より長くなることと,金属製で約190gと非常に重く,器具の素早い取り換えも困難であることが問題であった(図1).よってわれわれは,3Dプリンタを用いて,軽量で手先具を容易に脱着できる継手作製に取り組んだ.
© Nankodo Co., Ltd., 2019