Japanese
English
しびれ・痛みに対する整形外科診療の進歩 Ⅰ.総 論
2.理学療法
AKA(arthrokinematic approach)–博田法と関節受容器
Arthrokinematic approach-Hakata method and the mechanoreceptors of joint
土田 昌一
1
S. Tsuchida
1
1リハビリテーションクリニックリハブ土田
1Rehabilitation Clinic Rehab Tsuchida, Tokyo
キーワード:
AKA-Hakata method
,
sensory mechanoreceptor of joint
,
intra-articular movement
,
arthro-static reflex
Keyword:
AKA-Hakata method
,
sensory mechanoreceptor of joint
,
intra-articular movement
,
arthro-static reflex
pp.57-61
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei74_57
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は じ め に
宮本武蔵の五輪書に「構え」についての記載がある1).曰く,「心を広く素直にして,緊張しすぎず,少しも弛まず,心に偏りがないように,心を真中におき,心を静かに揺るがせて(流動性をもたせ),その揺るぎの中にも一瞬たりとも揺るぎを失わないように,よくよく吟味すべきである.…太刀の持ち方は,親指と人差し指は浮かせる心持ち,中指は絞めず緩めず,薬指・小指を絞める気持ちで持つのである」程よく脱力しての姿勢でいかなる動きにも対応できることであろうと思われる.痛みやしびれがあるときは,即座の動きができない.後述するが,この姿勢には関節受容器と関節包内運動の存在が必要である.
しびれや痛みは,日常診療の中でもっとも多い愁訴である.整形外科だけでなく,内科,神経内科,脳神経外科,ペインクリニックなどでも同様である.しかしながら,診察,画像診断では確定できないものが多くみられる.博田節夫氏が開発した「関節運動学的アプローチ(arthrokinematic approach:AKA)–博田法」2)を中心に診療している筆者より,ぜひとも理解していただきたい情報を提示する.
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