特集 OTの臨床実践に役立つ理論と技術―概念から各種応用まで
第3章:筋・骨格系に関するもの
1.関節運動学的アプローチ(AKA)-博田法
前田 智秀
1
1宇部リハビリテーション病院
pp.672-680
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100175
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はじめに
関節運動学的アプローチ(arthrokinematic approach:AKA)-博田法(Hakata method)は,「関節運動学に基づき,関節神経学を考慮して関節の遊び,関節面の滑り,回転,回旋などの関節包内運動の異常を治療する方法,および関節面の運動を誘導する方法である」1)と定義される.ここでいう関節とは滑膜関節(synovial joint)のことを指す.
開発当初用いられていた技術名称である「関節モビリゼーション」から「関節運動学的アプローチ」に名称変更がなされたのは1983年(昭和58年)のことである.以降,本邦ではAKAの名称がよく知られている.しかしながら米国においてarthrokinematic approachは,neurophysiological approachと同様に,特定の技術ではなく整形外科疾患の徒手的治療技術の一般名である2).海外での誤解を避けるため2003年(平成15年)に再度名称変更がなされ,AKA-博田法となった.本稿ではAKA-博田法のみならず,それを補い作業療法技術との組み合わせにおいても高い効果を発揮する,関節神経学的治療法(articular neurological therapy:ANT)についてもその概要を述べる.
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