Japanese
English
スポーツ傷害の予防・診断・治療 Ⅰ.総 論
2.検 診
サッカー選手のOsgood病予防に向けた定期的超音波検診と下肢柔軟性測定
Prevention of Osgood-Sclatter disease using ultrasonography
神谷 智昭
1
,
中野 和彦
2
,
鈴木 智之
3
,
山下 敏彦
1
T. Kamiya
1
,
K. Nakano
2
,
T. Suzuki
3
,
T. Yamashita
1
1札幌医科大学整形外科
2西岡第一病院整形外科
3札幌円山整形外科病院
1Dept. of Orthop. Surg., Sapporo Medical University School of Medicine, Sapporo
キーワード:
Osgood-Schlatter disease
,
prevention
,
ultrasonography
Keyword:
Osgood-Schlatter disease
,
prevention
,
ultrasonography
pp.33-36
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei73_33
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は じ め に
成長期サッカー選手においては早熟型で体格が大きく,技術の優れている選手が存在する.これらの選手は日常のトレーニングでは余力を残してプレーし,痛みを感じながらでもスポーツ活動を継続できてしまう.しかしながら9~15歳は神経系が完成を迎えるゴールデンエイジと呼ばれ1),この時期は技術習得の効率が高いため,痛みのない状態でプレーすることが望ましいと考えられている.
Osgood病は成長期のサッカー選手に好発する牽引型の骨端症であることはよく知られている2,3).Osgood病は予後良好な疾患とされている4,5)が,遊離骨片を形成すると痛みが残存する.そのため早期に治療して後遺症を残さないことが重要である.
われわれはOsgood病の予防を目的に2002年からメディカルチェックを行っている.その後,2013年からは定期的超音波検診を導入し,早期診断と予防に役立てている.本稿では定期的超音波検診による脛骨粗面不整像の出現と下肢柔軟性推移について検討し,Osgood病予防に向けた取り組みと今後の課題を報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018