Japanese
English
スポーツ傷害の予防・診断・治療 Ⅱ.部位別各論
2.肩
野球選手の肩関節超音波画像所見
-――posterosuperior impingement(PSI)の有無と後方関節窩・関節唇の形態
Ultrasonographic evaluation of posterosuperior impingement and morphology of posterosuperior glenoid rim and labrum in baseball players
鈴木 昌
1
,
筒井 廣明
2
,
西中 直也
3
M. Suzuki
1
,
H. Tsutsui
2
,
N. Nishinaka
3
1昭和大学藤が丘病院整形外科
2昭和大学整形外科
3昭和大学スポーツ運動科学研究所
1Dept. of Orthop. Surg., Showa University Fujigaoka Hospital, Yokohama
キーワード:
throwing disorder
,
posterosuperior(internal)impingement
,
baseball player
,
ultrasonography
Keyword:
throwing disorder
,
posterosuperior(internal)impingement
,
baseball player
,
ultrasonography
pp.119-124
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei73_119
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は じ め に
Posterosuperior impingement(PSI)1)は投球動作のlate cocking phaseにおける外転外旋位(abduction and external rotation:ABER位)で上腕骨頭と後上方関節窩・関節唇が衝突し,その間で腱板が挟まれる現象であり,internal impingement2)とも呼ばれている.成人野球選手におけるPSIの報告は以前より多数なされているが,関節鏡所見2)やMR arthrography(MRA)による報告3)がほとんどである.いずれも有用な検査ではあるが,関節内圧は非生理的であり,健側との比較は侵襲の大きさを考慮すると現実的ではない.また動態観察は関節鏡視下には可能であるが,MRAでは困難である.
現在,運動器に対する超音波(ultrasonography:US)検査は,MRIを凌駕する分解能を有している.生理的な関節内圧下での動態撮影が可能で,健側との比較が容易であり,PSIの描出も可能と考えられる.しかしながらUSを用いた報告はわれわれが渉猟しえた限り一つのみであり4),さらに野球選手を対象とした報告は見当たらない.
われわれは野球選手におけるPSIの有無と,それに関与すると考えられる後方関節窩・関節唇の形態についてUSを用いて調査し,結果をMRAと比較・検討した.
© Nankodo Co., Ltd., 2018