Japanese
English
経験と考察
治療に難渋したOsgood-Schlatter病に対し集束型体外衝撃波治療の経験
Examination of focused extracorporeal shock wave therapy for refractory Osgood-Schlatter disease
牧草 隆一
1
,
白仁田 厚
2
R. Makigusa
1
,
A. Shiranita
2
1しらにた整形外科クリニックリハビリテーション科
2しらにた整形外科クリニック整形外科
1Dept. of Rehabilitation, Shiranita Orthopedics Clinic, Kitakyushu
キーワード:
Osgood-Schlatter disease
,
focused-extracorporeal shock wave
,
bone union
Keyword:
Osgood-Schlatter disease
,
focused-extracorporeal shock wave
,
bone union
pp.225-229
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_225
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は じ め に
Osgood-Schlatter病(OSD)は12~15歳ごろの活発な児童に好発する脛骨粗面付着部の骨端症である1).症状としては膝前面の圧痛や膝をついたとき,スポーツ活動中に疼痛を訴えることが多い2).発症時期としては男女ともに12歳ごろにピークを迎え,男児では14歳ごろ,女児では9~10歳ごろにおいてもピークを迎える3).発症の機序としては力学的に脆弱な脛骨粗面の骨端線に対して大腿四頭筋の牽引力が繰り返し加わることで炎症,部分的剥離,微小裂離骨折が生じたものと考えられている1).治療としてスポーツ活動の休止や,ストレッチングによるリコンディショニングといった保存的治療が行われることが多い.一方,難治例や骨片が遺残し疼痛が残ったりスポーツ障害となったりした場合には,手術的治療が選択されることもある4).
OSDに対する除痛効果やスポーツ復帰に関する報告は散見されるが,保存的治療によるOSDの遊離骨片の骨癒合の促進や癒合期間に関する報告はわれわれが渉猟しえた範囲ではない.
われわれはOSDに対する集束型体外衝撃波治療(f-ESWT)が骨癒合および除痛に対して有効であるか否かを調査したので報告する.
わが国でのf-ESWTの保険適用は難治性足底腱膜炎のみとされているため,当院では難治性足底腱膜炎以外への照射は,その都度自由診療として徴収している.なお,国際衝撃波治療学会の適応においてOSDはcommon empirically-tested clinical usesとされている.
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