運動器疾患の画像診断
CT診断 関節内骨折・腱損傷 手指腱病変における三次元CT診断の有用性と限界
大野 克記
1
,
石津 恒彦
,
田村 竜一
,
矢津 匡也
,
白石 将史
1亀岡シミズ病院 整形外科
キーワード:
腱損傷
,
手指外傷
,
X線CT
,
三次元イメージング
,
骨折-関節内
Keyword:
Finger Injuries
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Tendon Injuries
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Intra-Articular Fractures
pp.34-38
発行日 2012年10月25日
Published Date 2012/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2013043376
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2000~2012年に術前3D-CTを施行した手部病変89例を対象に、術前3D-CTの有用性と限界について検討した。検討方法は、術前3D-CT所見と術中所見との一致率を調べた。症例の内訳は、屈筋腱断裂39例(前腕遠位~MP関節近位12例、MP関節以遠27例)、伸筋腱断裂33例(前腕遠位~MP関節近位25例、MP関節以遠8例)、Dupuytren拘縮14例、長母指屈筋腱(FPL)滑走障害1例、総伸筋腱滑走障害1例、屈筋腱嵌入を伴う示指MP関節脱臼1例であった。検討の結果、術前3D-CTの有用性と限界について以下の示唆が得られた。1)MP関節以遠では、屈筋腱の完全断裂に有用であるが、伸筋腱での有用性は低い。2)MP関節より近位では、FPLやFPLの断裂に有用であるが、手関節レベルの多数腱断裂においては有用性が低下する。3)Dupuytren拘縮では、早期病変も描出可能であるが、固有指部の詳細な描出は困難である。
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