難治性骨折に対する治療
難治性骨折の治療(総論) 低出力超音波パルス(LIPUS) ヒト骨折血腫由来細胞およびヒト偽関節組織由来細胞を用いた低出力超音波パルスの作用機序の生物学的検討
新倉 隆宏
1
,
李 相亮
,
大江 啓介
,
岩倉 崇
,
古賀 敬章
,
堂垣 佳宏
,
奥町 悦子
,
黒坂 昌弘
1神戸大学 大学院整形外科
キーワード:
フローサイトメトリー
,
偽関節
,
血腫
,
骨折
,
超音波療法
,
培養細胞
,
骨形成因子-7
Keyword:
Cells, Cultured
,
Flow Cytometry
,
Hematoma
,
Pseudarthrosis
,
Ultrasonic Therapy
,
Fractures, Bone
,
Bone Morphogenetic Protein 7
pp.52-56
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012339588
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骨折血腫細胞および偽関節細胞を6-well plateに播種し、低出力超音波パルス(LIPUS)照射群と非照射で比較・検討した。その結果、LIPUS照射は骨折血腫細胞の増殖には影響しなかったが、骨分化に関わるアルカリホスファターゼ(ALP)活性、オステオカルシン分泌量、アリザリンレッド染色、骨分化関連マーカーの遺伝子発現、Runx 2、osterixの発現においては増強した。一方、LIPUS照射は偽関節細胞の増殖にも影響しなかったが、骨分化能に関してはLIPUS照射の有無で有意差は認めなかった。次に骨形成因子(BMP-7)存在下でも同様の検討したところ、LIPUS照射による骨折血腫細胞の増殖能に対する影響はなかったが、骨分化に関わるALP活性、ALP、Runx 2、オステオポンチン、オステオカルシンのmRNA発現、アリザリンレッド染色においてBMP-7投与とLIPUS照射を同時に行った群で増強していた。また、偽関節細胞の増殖能に対してもLIPUS照射による影響はなかったが、ALP活性、ALP、Runx 2のmRNA発現、アリザリンレッド染色においてBMP-7投与とLIPUS照射を同時に行うことで増強していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012