上肢の外科 最近の進歩
肘関節疾患の治療 上腕骨上顆炎の新たな治療法 最近の上腕骨外側上顆炎の原因とそれに対する装具療法
月村 規子
1
,
戸田 佳孝
,
槻 浩司
1戸田整形外科リウマチ科クリニック
キーワード:
装具
,
肘関節
,
テニス肘
,
手関節・手部装具
,
上肢装具
Keyword:
Braces
,
Elbow Joint
,
Tennis Elbow
pp.118-122
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009019961
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2006~2008年に当院を受診した上腕骨外側上顆炎126例を対象に、発症のきっかけとなった作業(起因作業)の種類について調査し、1995年に福岡が行った同様の調査と比較した。その結果、今回の調査では起因作業は「軽作業(事務・主婦業)」57.1%、「調理師作業」8.7%、「力仕事」8.7%、「ゴルフ」7.9%、「テニス」6.3%、「その他」11.1%であり、福岡の調査に比べて「軽作業」の割合が有意に高かった(福岡の調査では30.8%)。今回の調査対象者で「軽作業」に従事していた患者のうち51例を対象に、著者等が考案した装具(中手指節関節背側で中指の伸展を制御するためのY字ストラップおよび手関節を固定するためのバンド)と、従来の装具(短橈側手根伸筋起始部周辺部をフェルトで圧迫するバンド)のどちらが効果的であるか検討した結果、著者等が考案した装具を使用したほうがADL困難度指数の改善率が有意に高かった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008